組込みシステム用高度協調制御プラットフォーム
SEP(Smart Embedded Platform)
SEP(Smart Embedded Platform)
機能
1:SEPは、機器同士が直接会話する真のm2mを実現します。
近年では、各機器(Machine)どうしをクラウド経由で通信するというクラウド型M2Mや、各機器の情報をクラウドシステムへ収集し、その収集されたデータ(Big Data)を分析・解析することで様々な業務効率化を行うといったIoT/IoEソリューションの話をよく耳にするようになりましたが、ILCはM2Mの原点に立ち戻り、機器と機器をクラウドシステムを介さず、直接・簡単につなぐことでM2Mの新たな付加価値を創造します。
ILCが提案するM2Mとは、各機器どうしが直接会話する世界の創造であり、機器と機器、機器と人など複数をつなげた新たなシステムを作ることで、機器単体や個人ではできなかった新しいシステム(即ち、スマート社会システム)を創造することだと考えます。SEPは、つなぎ方、制御する相手、実行するプラットフォームなど、つなぎの違いや機器の違いといった個々の違いを越えて機器どうしが制御(連携)できる仕組みを提供します。
(クラウド型M2Mとは違うM2Mという思いを込めて、ILCが提案するこのM2Mは m2m と表記します。)

2:SEPは、CloseとOpenな世界をつなぐIoT化を実現します。
IoT化するためにはいろいろなモノ(機器、装置、システム)を情報システム(クラウド)とつなぐ必要がありますが、現状では、いろいろなモノは製造メーカや機種、ネットワーク上の位置等に依存した個別のアクセス方法や仕様をもつCloseな世界です。
このCloseな世界をIoT
化するためには、モノに依存した様々な違いを意識することなく情報システムすなわちOpenな世界と統一的ににつなぐ仕組みが必要で
す。SEPが提供するオブジェクト指向技術(モノを抽象化する仕組み)をこのCloseな世界に導入することで、モノを表すSEPオブジェクトに
アクセスすることがモノとつなぐことと等価になり、SEPオブジェクトを介してCloseとOpenな世界をつなぐこと(IoT化)が実現できます。
さらに、SEPはIoTの先にある顧客(Customer)とインターネットを介してビジネスをつなぐIoCの世界にまで活用することができます。

3:SEPは、機器同士をセキュアな暗号化通信で連携します。
組込みシステムにおいても、機器間のセキュアな通信機能は最重要課題の一つになっています。SEPでは、CPUパワーの限られた非力な プラットフォームから、強力なCPUを搭載したハイエンドプラットフォームにいたるまでのいずれにおいても、SEP組込み機器間をつなぐため のSEP通信プロトコルの上で搬送されるデータを保護するため、簡易なBlowfish暗号から強力なAES (256bit)暗号を標準でサポートしてい ます。(ユーザ独自の暗号アルゴリズムの組込みも対応可能な仕組みを提供します。) さらに、チャレンジレスポンスによる動的鍵交換や 暗号強度のエスカレーション機能の提供、セキュリティ喪失の検出と対策機能など、セキュアな通信機能を提供します。
4:SEPは、省メモリ、コンパクトを追究します。
SEPの組込みプラットフォームは、最小構成(VIO-Links機能)で30KBytesのROMと8KBytesのワークRAMメモリで動作可能です。
また、16ビットマイコンやμITRONなどのコンパクトなMCUやRTOS (Real Time OS)上でも動作可能で、通信のトランスポート層において
もTCP/IP,UDP以外にBluetooth, SIO, CAN, NFCなどもサポートします。
SEPは、組込みシステムのm2m/IoT化を強力に支援
組込みシステムの開発は、様々な制約条件(少ないメモリサイズ、省電力のCPU、厳格なリアルタイム性、24時間連続運転等)に対応する必要があるため、プラットフォーム(H/WやOSなど)、通信(プロトコル、経路、H/Wなど)、機器とのI/F(アクセス方法等)の標準化が困難であり、各種標準化が先行している情報システム開発と比べると開発効率が悪いという課題が深刻化しています。
この課題に対する解決策として、SEPは以下の特長ある機能や仕組みをもった組込みプラットフォームと開発支援ツールを提供します。
- 個々の違いを抽象化する仕組みを持ち、プラットフォーム、通信、機器の変更に影響されないクラス(ソフトウェア部品)群
- 制御システム開発のノウハウが集約されたクラス群(アラーム監視、データログ、イベントログ、段取り替え、システム診断等)
- プロトコル設計や通信プログラム開発を不要とする仕組み(Remote Agent Call機能)
- ハードウェアやOS等のプラットフォームの違いを吸収し、システムのリプレイスを簡単にする仕組み(マルチプラットフォーム機能)
- 機能安全性を強化する仕組みやセキュアな通信機能
