組込みシステム用高度協調制御プラットフォーム
SEP(Smart Embedded Platform)

SEP(Smart Embedded Platform)

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「世界を動かす真ん中に」

近年、ロボットによる作業の無人化、無人搬送車やドローンによる運搬作業の無人化、多数のセンサやカメラのデータを用いた予知保全など機器どうしをネットワークでつないだシステムが増えています。
本商品は、ソフトウェア開発者が機器間の通信処理を意識することなく、あたかも1台の機器やコンピュータ上のソフトウェア開発と同じ感覚で開発できる仕組み、機器間のセキュア通信、時刻同期など、ネットワークでつながれた組込み機器で構成される協調制御システムのソフトウェア開発を強力に支援する組込みプラットフォームです。

【SEP】次世代指向制御プラットフォーム「SEP」のご紹介

概要

商品構成

Smart Embedded Platform (SEP)

本商品は、スタータキットである「Smart Embedded Platformパッケージ」と、組込みシステム用高度協調制御プラットフォームをユーザの開発システムへ移植するための環境をまとめた「Smart Embedded Platformポーティングサポートパッケージ」で構成されます。なお、「Smart Embedded Platformポーティングサポートパッケージ」は、「Smart Embedded Platformパッケージ」とは別売となります。

Smart Embedded Platform
パッケージ

SEP組込みプラットフォーム
SEPcore

  • クラスライブラリ(ソフトウェア部品集)
    SEP Basic Class Library
  • 通信仮想化機構
    VIO-Links
  • 移植層インターフェース
    SEP移植層インターフェース

SEP組込みプラットフォーム構築ツール
SEP Platform Builder

マニュアル

Smart Embedded Platform
ポーティングサポートパッケージ

組込みソフトウェアソースコード
SEP Basic Class ソースコード

SEPcore ポーティングソースコード

マニュアル

SEP White Paperパッケージ

当社では、商用利用可能な上記の「Smart Embedded Platform」のパッケージとは別に、SEPの技術を公開したWhite Paperと体験・評価版ソフトウェアを同梱した「SEP White Paper パッケージ」も提供します。「SEP White Paperパッケージ」を導入していただくことで、SEPの技術的な内容の理解やSEPの導入検討を行うことができます。

SEP White Paper
パッケージ

Smart Embedded Platform
パッケージ

SEP組込みプラットフォーム
SEPcore

  • クラスライブラリ(ソフトウェア部品集)
    SEP Basic Class Library
  • 通信仮想化機構
    VIO-Links
  • 移植層インターフェース
    SEP移植層インターフェース

SEP組込みプラットフォーム構築ツール
SEP Platform Builder

  • 10ノードロックライセンス付き

マニュアル

Smart Embedded Platform
ポーティングサポートパッケージ

組込みソフトウェアソースコード
SEP Basic Class ソースコード

SEPcore ポーティングソースコード

マニュアル

SEP技術資料

SEP White Paper

特長

SEPの7つの機能

1.協調制御システム開発に必要な通信/制御機能がAll in One.

本商品が提供する豊富なクラスを活用して協調制御システムを簡単に開発することができます。

<通信/制御クラスの例>

SepAlarm アラーム監視用クラス SepVsensor センサ機能クラス
SepVio I/Oアクセス処理クラス SepController コントローラとのアクセスI/Fクラス
SepTimer 時間指定によるイベント処理クラス SepCalendar カレンダーによる予約イベント処理クラス
SepClock 時計機能を提供するクラス SepCommRest REST-APIによる通信を行うクラス

2.機器と機器、システムとシステムを一つに統合

通信仮想化機構(※1)により、制御システム内のマイコン間通信、CPUコア間通信はもちろん、スマートフォン・タブレットなどのスマートデバイスとの連携や、クラウドシステムとのデータ共有などインターネットまで広がるシームレスな世界を実現します。通信仮想化機構は通信形態の違いを吸収し、レガシーな機器も含んだ複数の機器、複数のシステムを名前指定だけで簡単に接続することができます。
(※1)VIO-Links(ブイ アオー リンクス、Virtual Object Linking System)と呼びます。

自動車へのSEP適用事例

3.協調制御システムをシームレスに開発

通信仮想化機構で機器間をつなぐと、通信形態や機器構成を意識することなく、接続先機器のクラスメソッドを、あたかも自分の機器上に存在するように呼び出しすることができるようになります。この仕組み(Remote Agent Callと呼びます)を利用することで、通信形態や機器構成をカプセル化し、分散システムのアプリケーションをシンプルに構築できるようになります。また、システムの機器構成の変更や、通信形態の変更にも瞬時に対応することができるようになります。

User Application

4.プラットフォームに依存しない互換性と可搬性

本商品は、ハードウェアやOSなどプラットフォームに依存する部分を分離し、プラットフォーム変更時のアプリケーション層への影響を最小限に抑える仕組みを提供するため、システムリプレイス時の開発コストを大幅に削減します。

従来のシステムとSEP導入後のシステム比較図

5.安全性強化の仕組みとセキュア通信機能

本商品では、CPUパワーの限られた非力なプラットフォームから、強力なCPUを搭載したハイエンドプラットフォームにいたるまでのいずれにおいても、組込みシステム用高度協調制御プラットフォームを搭載した機器間をつなぐための通信プロトコルの上で搬送されるデータを保護するため、簡易なBlowfish暗号から強力なAES(256bit)暗号を標準でサポートしています。(ユーザ独自の暗号アルゴリズムの組込みも対応可能な仕組みを提供します。)
さらに、チャレンジレスポンスによる動的鍵交換や暗号強度のエスカレーション機能の提供、暗号アルゴリズムの動的変更機能など、各種セキュア通信機能を提供します。

AES 256 bit

飛躍的な開発工数削減効果による開発コスト削減と高品質の実現

当社が品質を保証するソフトウェア部品集(SEP Basic Class Library)と開発ツール(SEP Platform Builder)を活用することで、制御システムの開発工数、テスト工数、保守工数を大幅に削減する(当社比較にて導入前の1/5にまで削減)ことができます。

SEP未導入とSEP導入後の比較

6.すべての機器のタイミングが同期した国内初の調和型協調制御を実現

多関節ロボットやAGV(無人搬送車)などで自動化されたスマート工場では、複数の機器が協調的に制御(協調制御)することで実現されています。

1.従来の協調制御 2.時刻同期した協調制御 3.調和型協調制御

③のようなシステム全体機器がまるでオーケストラの楽器たちが1つの楽譜で美しいハーモニーを奏でるように調和した
制御(調和型協調制御)を可能にするために必要な機能(調和型時刻同期機能)を提供します。
本機能を活用することで、従来の時刻同期機能では実現できなかった国内初の高速でしなやかな生産性向上に貢献する「調和型協調制御」を実現できます。

調和型時刻同期機能とは

ネットワークでつながれた各機器の時刻を同一に合わせる(同期させる)機能を提供

時刻サーバ不要

現在普及している時刻同期機能は、各機器が時刻サーバの時刻に合わせる方式ですが、本機能は各機器がつながれた相手先の機器との間で時刻を同期することでシステム全体の時刻を同期することができます。

Ethernet以外のネットワークも混在可能

現在普及している時刻同期機能は、各機器をEthernet でつなぐことで実現していますが、本機能ではEthernet、Wi-Fi、Serialなど様々なネットワークが混在したシステムにも適用できます。

従来の時刻同期システムと調和型時刻同期システム

TSN通信との上位互換性を提供

本機能は、TSN(Time Sensitive Networking)に対して上位互換機能を提供します。
TSNでは必要となる時刻サーバが不要。TSNがサポートしていないEthernet以外の通信経路でも時刻同期が可能。
また、通信データどうしが衝突せずに効率よくネットワークを利用できる”通信帯域制御機能”や他のデータがネットワークに流れていても緊急性の高いデータを優先的に転送できる”優先制御機能”などを提供します。

機器間で同期した時刻付きデータ共有が可能 (時刻同期型データ共有機能)

本機能により、指定時刻のデータ参照や共有データの発生時刻取得が可能となり、異なる機器で取得されたデータに対してもすべて同一時刻のデータを用いた解析や制御を行うことができます。

各Fieldデータには取得したデータと取得時刻がセットで格納されるイラスト
各機器がデータを更新、指定した機器間でデータを共有
アプリケーションの任意のタイミングでローカルの情報を参照するだけで常に時刻が揃った各機器の最新データを参照できる

システム全体のタイミングが一致した調和型協調制御が可能

今回リリースする調和型時刻同期機能を用いた協調制御では、機器間で精度が一番高い機器に時刻を合わせることで、
システム全体のタイミングが一致した協調制御を行うことができます。
さらに、時刻同期型データ共有機能(特長6-5)と組み合わせることで、協調制御システムの各機器が同一時刻の制御入力を用いて、同一時刻、同一周期で制御できるシステム全体が調和した調和型協調制御システムを実現することができます。

各機器は同一のタイミングと周期で同一時刻の制御入力データを用いて制御

調和型時刻同期の主な仕様

時刻同期

各機器が持つ時刻のずれ±50μsecの範囲に収めることが可能です。(※2)

 

  (※2) Ethernet環境で8台の機器を接続した場合の当社計測によります。時刻ずれは使用する通信媒体や環境により異なます。

7.IP(※3)間や機器間のデータ入出力(Communication)インタフェースを共通化

(※3)Intellectual Property:知的財産。FPGA/SoC開発などで再利用可能な回路設計やライブラリのこと。

高速な信号処理、画像処理、AI処理等をおこなう組込み機器の開発ではFPGA/SoC/GPUを使用した開発が行われており、IP(ソフトウェア開発におけるライブラリに相当)が活用されます。
IPを活用する組込み機器のソフトウェア開発においては、機能に応じて使用するIPやIP間のデータ入出力インタフェースが多様であり、ハードウェア構成もさまざまであるため、IP追加・変更やハードウェア構成変更のたびに個別開発が必要となっています。
今回リリースする新バージョンでは、IP間のデータ入出力(Communication)の違いを通信制御Object
(Inter Communication Objectと命名)として抽象化し、入出力インタフェースを共通化する仕組みとして提供することで、多様なIPを組み合わせて開発する産業用カメラのような組込み機器やシステムの開発において、
 1) 多種多様なIPとIPをつなぐ開発を簡単にする
 2) 開発スタイルを標準化(プログラムインタフェースを共通化)する
 3) 開発したプログラム資産を再利用(差分開発)する
ことができます。
またIP間接続だけでなく、さまざまな機器どうしをつなぐ分散システム、機器とクラウドやサーバなどをつなぐIoTシステムにおいても、それぞれのデータ入出力インタフェースは多種多様なため、同様の課題があります。
新バージョンで提供する仕組みは、IP間のデータ入出力インタフェースだけでなく、IPとソフトウェア間、ソフトウェア間のデータ入出力インターフェスも含めて通信制御Objectとして抽象化し、統一した共通インタフェースで簡単につなぐことができます。

異なるIP間をつなぐ通信制御Objectはすべて同じインターフェース

共通インタフェース(通信制御Object)

下図の通信制御Object AとBは、各IPやSoftwareのデータ入出力処理(設定、転送開始/停止など)を定義したObjectで、各IPやSoftware間のデータ入出力インタフェースの違いを意識することなく共通インタフェース(各ObjectのMethod)をCallするだけでアプリケーション開発でき、IPを切り換える場合は対象IPに対応したObjectへ切り換えるだけで対応できます。

通信制御Object Aと通信制御Object B

カメラ開発における適用例

IPを活用したカメラ開発において(A)(B)(C)のようなシステム構成の変更に対して、対応する通信制御Objectを切り換えるだけで容易に対応できます。

IPを活用したカメラ開発のイメージ図

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